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AS考察・スミカ編~『劣等』に許された『幸福』

2016.09.06 21:38|魔法戦士コネクターズ!
お久しぶりです、雪翠です。
最近、これというフリゲがなかったから、魔コネとASを再プレイしてました。
最新バージョンで追加されたシーン、結構重要なシーン多いんじゃない!?
いつまでも広告出てるのアレだし、ASの考察記事は書いてなかったし、ちょっとASまで含めた考察をやっちゃいましょう!
というわけで、今日から始めていくわよ!

魔法戦士コネクターズ!本編の考察はこちらから→魔法戦士コネクターズ! まとめ

本編は時系列順に追っていったけど、今回はキャラごとにまとめていくわね。
第1回目の今日は、スミカについて。
考察キャラの順番も、私なりに意味を持たせてはいるわ。

まず、本作全体の話をすると、
この作品が伝えたかったことは

「生きることと幸福を求めることは同義である」

だっていうのは、本編考察の最終話で書いた通りね。
私の考察は、この前提の下で話していくわ。

その結論を導く物語のなかで、スミカが担った役割は何か。
それは

「幸福の不平等」


作者様のブログで、スミカのテーマは『劣等』だと語られています。
これは単純に、兄・ユウジと比べて戦士としての能力が劣っている、という意味ではない。
スミカの場合、能力が劣っている結果、

両親から受ける愛情の量が負けてしまっている

ことが、スミカというキャラクターにとって最重要であることは、プレイ済みの方なら分かるはず。
その事実を、残酷なシステムによって突きつけられた結果として、スミカは戦い狂い、ワタルに八つ当たりをしてしまい(最新のバージョンで追加されたシーンらしいわね)、そんな自分をますます責めてしまう。
スミカにとって、両親からの愛情を受ける、という行為は、間違いなく「幸福」の大きなウエイトを占めていたはず。
でも、それは叶わない。両親の愛情を受けたのは兄であり、Story2-4にて真相が明らかになった時点で、スミカの中の幸福の多くが打ち砕かれた。幸福を求めることが許されなくなった。
ここで、「生きることと幸福を求めることは同義である」というテーマをスミカに当てはめると、

生きることが許されなくなった

と、ほぼ同じ意味になるのね。
本来、両親の愛情というものは、平等に与えられてしかるべきもの。
でも、スミカはその幸福は与えられなかった。
その意味で、スミカというキャラクターが担ったのは「幸福(=人生)は不平等である」という、ある意味で残酷な現実を示す役割だったといえます。
子供はいつか、その事実に気が付くことになります。それに気が付いた思春期の子供の絶望、それを魅せてくれたのが、スミカというキャラクターなんです。
この「不平等」というワードは、スミカを語るうえで非常に大切な言葉。
何故なら、スミカが吹っ切れる要因となるのは「都会のプロクトに見捨てられた田舎のアジューズ」だから。
「都会と田舎」という暗喩を通して、この世の不平等を表現しているの。

「幸福(=人生)は不平等である」。では、『劣等』な人間には『幸福』は与えられないのか。
この問いに対し、スミカというキャラクターは、ハッキリと、「ノー」を示します。
以下、Story3-4、アイスレディを倒した後のスミカの台詞を抜粋。

「うん! ……アタシ、誰かの役に立ちたかったんだ!」
「オーブの仕組みを聞いたときはショックだったけど、それはお兄ちゃんとアタシの違いのことだった。それに気をとられて、戦士になった本当の理由を見失ってた。」
「お兄ちゃんみたいに、誰かの役に立ちたくて、誰かの喜ぶ顔をこの目で見てみたくて、それで戦士になったんだ。」
「お兄ちゃんみたいに、たくさんの人を一気に救えるわけじゃないけれど、中心の枠から外に出てしまった人を助ける。それが、アタシが行きたい道なんだ。」
「アタシの力じゃ、父さんやお母さんの笑顔は見られないけど――」
「その分、他の人たちを助けたい。この道に後悔なんてしない。幸せだよ。やっと、家族全員幸せになれるんだね。」

ここで大きなポイントとなるのは、

スミカ自身が「自分は幸せだ」と断言していること

この決意表明に嘘がないことは、その後のクオンとのやり取りから明らか。
では、なぜ、あそこまで絶望していたスミカが、幸福にたどり着いたのか。
それは「望んでいたもののうちの、一部分だけを抽出した」から。
「お兄ちゃんのように」「たくさんの人を助けて」「両親やみんなからちやほやされて」「誰かの役に立つ」。
この要素全部を叶えるのは無理。
でも、「誰かの役に立つ」。これだけなら、魔法戦士であるスミカには充分可能なの。
アジューズの人たちを救えたことで、それを確信したスミカは、幸福の断片を手に入れた。

ここで引っ掛かるのは「でも、結局不平等なんじゃん」ということ。
確かに、「たくさんの人を助けて」「両親やみんなからちやほやされて」「誰かの役に立つ」ユウジと「誰かの役に立つ」スミカでは、明らかな差異があります。

本作は「幸福(=人生)は不平等である」ということを認めている

ただ、その事実に対する、気が付きにくく、さりげなく、だけどとても大きな反逆を、ASまで通して行っている。

本編~ASを通して「私は幸せだ」と断言しているのは、スミカだけである

『劣等』をテーマにしているキャラクター・スミカだけが、『幸福』を明言している。
これは、「たった一要素しかなくとも、そこに幸せを見いだせる」という『劣等』な人間の特権を象徴している事実であり、その意味でスミカは、ワタル・ヤマト・アヤネ・クオンにはない、彼女だけの強さを手に入れたといえます。

そんな成長を遂げたスミカが描かれるのが、ASスミカ編。
このスミカ編、
都会に搾取されている田舎の村から助けを依頼される→プロクトの妨害→それを乗り越えて救済
という、一見すると、本編をそのままなぞっているような展開がなされます。
ただ、違っているのはスミカの考え方。
ASでは、大臣に即身仏のことをしゃべってしまったばかりに、事実を隠ぺいされようとしてしまいます。
もし、本編メンタルのスミカであったとしたら、その自己嫌悪に押しつぶされ、狂っていたのではないでしょうか。
スミカも、ヤマトに引けをとらないくらい潔癖なの。

こんなに汚かったんだ

という台詞が、彼女の潔癖さを象徴している。
だからこそ、一度でも間違いを犯した自分を認めてあげられない。
でも、ASスミカは違います。そりゃあ迷いはするけど、「誰かの役に立つ」という信念だけは、これだけは捨てないと決めているから。
「ASでは成長したスミカを見せたい」と制作者様のブログに書かれていたけれど、それはきっとこういうこと。本編と似た展開を辿らせることで、スミカの精神の変化を表現している。

ここで魔コネシリーズ全体を通しての、スミカ評にうつります。
作中において、スミカが担った「物語のカラクリとしての」役割は、「もっとも感情移入しやすい動機で狂うこと」。そして、それ以上に大きいのが、

「絶望すること」

実は、スミカ以外の4人は、すでに絶望を味わっているの。
ワタルはタクヤの死、ヤマトは両親の離婚、アヤネは男尊女卑によるいざこざ、クオンは家庭崩壊。
4人は絶望を経験しているがゆえに、それぞれが強い価値観を持って行動している。
しかし、スミカは違う。多少のカインコンプレックスはあったけれど、それは三次元であってもおかしくない程度のもの。
いたって普通の女の子が絶望する姿をプレイヤーに見せることで、プレイヤーに感情移入させ、物語に引き込む役割。
そして、プレイヤーに感情移入させたスミカに、「幸福宣言」という、この上ない特権を与える。

作中で最も三次元的であるがゆえに、二次元だからこそ成せる残酷なシステムを前に、最初に壊れてしまうことになったスミカ。
しかし、そんな彼女が、幸福宣言という特権を得ることができたのもまた、「幸福の不平等」が存在する三次元に最も近いキャラクターだったからなのです。


しかし、スミカの物語は結果的に「幸福の不平等」を認めている。
そこで、物語のバトンが、「幸福の不平等」に抗おうとする『消極』の魔法戦士・アヤネへと渡されるのです。

↓魔コネAS考察まとめ↓

スミカ編~『劣等』に許された『幸福』
アヤネ編~植えつけられた『消極』
ヤマト編~『羨望』の抑圧に待つもの
クオン編~偽りの『諦観』の果て
ワタル編~『幸福』故の『犠牲』への『贖罪』
総論編~世界と『世界』

↑魔コネAS考察まとめ↑

テーマ:フリーゲーム
ジャンル:ゲーム

とうとう広告が……

2015.10.11 17:29|雑記
更新しなさすぎて、とうとう広告が出てしまったわ……
いやね、ゲームはやってたんだけど。
長すぎてクリアまで進めなかったり、特定のボスで同じエラーが何度もでたりして、いっこうに記事になる気配がしなくて。
でも、ついに記事にする作品が降臨したわ。

魔法戦士コネクターズ!ASよ!

近日中に連載開始する予定です!

最近の状況

2015.09.04 00:00|雑記
やばいわ!
更新しなさすぎて、広告がでるところだったわ!
でも連載できそうなフリゲがないわ大ピンチよ!

とりあえず、今やってる作品はこちら。

『千年時計』
ストーリーは面白いんだけど、クリアに70時間かかるみたいで終わらない。この先強敵が出てきて詰んだら、連載記事が無駄になるからねえ。クリアできる見通しがたつまで記事にはしないわ。

『森羅万象』
オープニングからお涙頂戴で、エンディングがみたい一心でスタート。まだ最初のダンジョンに入ったばっかり。

『ザリアドールの少女』
お金がたまらない。ハッピーエンドにいけたら記事にする予定。

でも、10月からは更新のあてがあるのよねー。

魔法戦士コネクターズASよ!

今から楽しみ! またクオンくんを愛でることができると思うとね!
あ、もちろん他キャラも好きよ? ワタルもスミカもヤマトもアヤネもね!

というわけで、近況報告おしまい!
そろそろ新しい連載始めたい。

Avance・ストーリー まとめ

2015.08.13 00:00|Avance・ストーリー
Avance・ストーリー の記事をまとめました!
第○話の部分をクリックするとリンクします!

第1話 第1章
物語のスタート。最終回に向けた超重要な伏線が隠れてる。

第2話 第2章~第3章
ニコラ&ジャック初登場回。

第3話 第4章~第5章
ジャニコ&ニッセレ回。ニックとセレンの信頼の深さやばい。

第4話 第6章~第7章
カロン&リディア登場回。役者は揃ったわ。

第5話 第8章~第9章
セレンが辛い回。イケメン鬼将登場回。

第6話 第10章~第11章
メイドカロン☆登☆場☆回。敵のトップが二人いることがほのめかされる回。

第7話 第12章
リディアの正体が明らかになる回。レモーナの心に大ダメージ。

第8話 第13章~第14章
全てが泡になるから。ジャニコ夫婦回。

第9話 第15章~第16章
セレンの覚悟。ニック&セレンファン殺しの回。

第10話 第17章
ニックの秘密が明らかに。セレンが呪縛から解き放たれる。

最終話 第18章
デロイトとの決戦。喜びと虚無を同時に抱く、素晴らしいラスト。

Avance・ストーリー 最終話

2015.08.11 00:00|Avance・ストーリー
Aストーリー、考察しながら2周目プレイ、最終回!
第18章「そして、決戦!」

いよいよ、デロイト城へやってきたわ。
ニックとセレンは複雑よね。いちおう故郷だし。
で、奥に進むと……

あんた生きてたの!?

なんとリディアと再戦!
怖い怖い怖い怖い! この顔が夜出てきたらトイレに行けない自信があるわ!
リディア、デロイトに解雇されたらしいわね。ま、一回やられたしね。
ニックじゃないけど、二度目はないわ。覚悟なさい! リディア――いいえ、両角の悪魔!

両角の悪魔を倒し、いざ、デロイトと決戦へ。
ここで引き下がるわけにはいかないわ。
ニックは強いなあ……。目の前にいるのは自分の父親なのに、毅然としていて。

そして勝利!
だけど、デロイトは黒魔岩の力を使ってくる!
おかしい。レモーナの爆発魔法以外、まったく敵にダメージを与えられない。
そして、壊れないはずの白岩石が――砕けた。
白岩石と思っていたものは、白岩石ではなかったのだ。
うわあ、絶望じゃない……と思っている、そこのみなさん!

第1話を思い出して!

そう、レモーナの姉が言っていた、かたい殻に覆われた木の実。
そして、レモーナが庭で拾った、思い出の木の実……

思い出の木の実=白岩石

これでデロイトと戦える! いざ、決戦!
とどめは、レモーナの「バースト」!

……こうして、デロイトは倒された。
レモーナの母と姉、シャバ族、ニックの育ての両親と再会。
ニックを複雑そうにみつめるセレン切ない……。でも、これでニックは記憶を消す必要がなくなってよかった……本当によかった……!
そんなセレンの頭に手を置くジャック。そっか、ジャックの母親は帰ってこないんだもんね……。
でも、これで終わった。そしてエンディングへ……。

総評の前に、これを忘れちゃいけないわ!
雪翠BLOG恒例行事、最終回キャラまとめ!

レモーナ
ただのやんちゃ娘だったレモーナが、戦う覚悟を決め、リーダーの素質が芽生えていく過程は本当によかった。
これからレモーナは政治家になるんだろうけど、今のレモーナなら、きっと大丈夫ね。
戦闘では魔法が主流だったわねえ。あと、セレン不在時は回復担当。
明るく、前向きで、まさに主人公! ってかんじの女の子。ありがとう、楽しかったわ!

ニコラ
初見の時は、子供っぽい子なのかと思ったら、子供成分はリディアにとられたわね。
狩りが上手くて、拳が強くて、観察眼もある。
でもジャックの前では女の子らしくなるんですね、分かります。
戦闘ではアタッカーで、特に最強武器の毒付与効果が強すぎて。だってラスボスにも毒が入っちゃうんだもん!
ちょっと打たれ弱いけど、隣でジャックが守ってくれてるから大丈夫よ、ええそうよ!
戦闘面でお世話になったわ、ありがとう!

ジャック
パーティの癒し担当。戦闘では壁役なのに暗所恐怖症でお化けが怖いって。
母親の死を乗り越えて、陽気な性格を取り戻せたジャック。あなたのその癒しがなければ私はここまで来ることは出来なかったわ。
デロイト撃破後はまた武器商人になるのかしら?
戦闘では挑発が大助かり。高いHPと防御力でパーティの壁。攻撃にはあまり期待できないけど、縁の下の力持ちでいいじゃない!
それはそうと、私はてっきり、エンディングでニコラと結婚するものだとばかり(ry。
物語でも戦闘でも、癒しと頼りがいを両立してくれてありがとう!

ニック
ニックうううううう!
ニックはこれからどうするのかしら。デロイトの新たな王になるのか、デロイトなんて無視して育ての親と暮らすのか。
どちらにせよ、ニックはもう忘れなくていいのよね。大切な人々との思い出を。
天真爛漫なんだけど、現実主義な一面もあって。明るい笑顔も、実は作り笑いからはじまっていて。
でも自分の思いにはひたむきで、そのためなら実の両親と刃を交わす覚悟もあって。
強い子だなあ……本当に強い子。
戦闘では素早さを生かした「女神の加護」がチートすぎた。これにジャックの挑発を組み合わせれば、物理攻撃は怖くないもの。
はじめてあなたが出てきた時の衝撃を忘れない。あのショタ可愛いかんじは反則よ! ありがとう!

セレン
セレンんんんんんんんんんんんんんん!
いやね、めちゃくちゃ辛い思いをしてたでしょ、セレン。
独りぼっちだった自分を救ってくれたニックを守るために、自らの手でニックの記憶を封じて、誰にも打ち明けることのできない恐怖を抱えながら、ニックの傍でニックを見守り続ける。
本当は、自分のことを忘れさせるなんて嫌だったはず。もう一度仲良くなれる確証なんてなかったんだから。心を開いていくれないニックを見るのも残酷だったでしょうね。
ニックがみんなと仲良くなるのを見るのは辛かったはず。いつか、また忘れさせないといけないんだから。
でも、セレンはその呪縛から解放された。ニックと、皆と、思い出を作ることができるようになった。
Avanceは「前進」。この言葉が最もしっくりくるのはセレンだったわ。
戦闘では不動の回復役……なんだけど、ニックが女神の加護を覚えてからは回復いらずだったから、レモーナと一緒に魔法で攻撃してたわね。
見てる私の胸が痛くなるくらい辛い人生だったセレン。その分幸せになって! ありがとう!

大満足の読後感!

終わった時、クリアした感動と終わってしまった虚無感が同居してたもの!
メインキャラ5人は、みんなそれぞれ魅力的で、本当に大好き!
ころころかわる表情が素敵で、テキスト読むのが楽しかった!
サブキャラも個性的な人が多くて、カロンはいい意味で、リディアは悪い意味で、登場するとテンションがおかしくなったわ。
この作品に出会ったのは7月中旬くらいだけど、まさか下半期が始まってすぐに、こんな当たりを引くとは思わなかった。
制作者の方、素敵な作品を本当にありがとうございました!
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Author:雪翠
管理人・雪翠が、フリーゲームについて思ったことを書くだけのブログです。
現在は、魔法戦士コネクターズAS考察を連載中。

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