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AS考察・ワタル編~『幸福』故の『犠牲』への『贖罪』

2016.09.23 23:17|魔法戦士コネクターズ!
AS考察、いよいよ真の主人公・ワタル編。

これまでの魔法戦士たちの物語は、いわば「不幸の肯定」でした。
結局誰一人として、不幸な現状からの脱却はできていません。
これでは、この物語は、ただの鬱ドラマ、不幸物語になってしまいます。
それを阻止するべく描かれたのが、まさに真の主人公であるワタルです。

一周目(並行世界)では、魔法戦士の現実に打ちのめされ、ワタル以外の全員が死んでしまいます。
その事実に、ワタルは「誰も救えない自分への憎悪」という感情を使って、二周目(本編世界)へ移動してきます。

何故そうしたのか? 幸福願望です

タクヤの件で「もう二度と、誰かを目の前で失いたくない」と思っているワタル。
きっと、みんなと一緒にいる時間を失いたくないのでしょう。
並行世界のワタルがそうしていなければ、並行世界で全滅して物語終了だったわけですから、並行世界のワタルはある意味で幸福を手に入れたのです。
自分は結局死んでしまいますが、それでも、並行世界は守れたのですから。
しかし、この作品の世界観は、ただ幸せになることを許しません。

幸福の裏には不幸がある

それがこの世界の、魔法戦士システムのルールなのです。
では、並行ワタルの幸福の犠牲になったのは誰なのか? その解答が示されたのがASワタル編。

犠牲者は世界のすべて

本編世界を正史にしたということは、並行世界は偽物となるわけです。そもそも滅んでますけど。
しかし、中には、本編世界より並行世界の方がよかった、という人もいるわけです。
いわば、世界中の人の人生を強制リセットさせたわけですよ。
これを大罪とよばずして、何を大罪というのでしょう!
それに気が付いたワタルは自分を責めて、罪に溺れていきます。ワタル単独ダンジョンの名前が「裁きへの道」になっていることからも、ワタルの罪の意識の大きさがうかがえます。
(その意味で、ワタルは「ループもの・世界移動もののキャラクターが背負うべき罪」をしっかり背負わされたキャラクターだといえます。さらにタチが悪いのは、世界移動をしたのはあくまで並行世界のワタルで、本編ワタルの意志はなかったということです。
本作に対し『王道の皮をかぶった邪道の皮をかぶった王道』と評しましたが、ここが『邪道』にあたる部分でしょう)

幸福を得れば不幸が生まれる。これに対し、本作が出した答えは、

共有

「過去のことを忘れるのは、難しいことかもしれませんけど――「皆で覚えている」ことならできると思うんです。」
これは、ワタルのもとにかけつけた際、アヤネがいう台詞です。
幸福も、それによって生まれた不幸も、みんなで共有すればいい。なぜなら、幸福を求めなければ、人は生きることができないのだから。
人と人との幸福がぶつかり合って不幸が生まれる。けれど、その生まれた不幸を和らげるのもまた、人間同士なのです。

ここからは、シリーズ通しての、ワタルというキャラクター評にうつります。
男三人女二人の編成で、先頭に立つイメージカラー赤の青年。物理攻撃が得意で頭はよくなくて、でも明るくて誰とでも話せて、いじめられている子は助けちゃう。
よくある少年漫画の、熱血主人公のような設定です。
しかし、それは表面上だけ。
ワタルは助けるより、助けられている側なのです。
物語中盤は、クオスミ・ヤマアヤで展開されていたことからも、それが裏付けられます。
ワタルが突然熱血化して、説教に近い説得をして、仲間を正気に戻す――そんなシーンはありません。せいぜい、一人で背負い込もうとしてきかないクオンを一度ぶったくらいです。
むしろ、他人への依存(特にヤマト依存)が激しく、誰かがいなくなることに恐ろしく敏感な、ある意味で守られ系ポジションなのです。
ではなぜ、そんなワタルが主人公として据えられたのか。

天才的な共有の能力

以下、最新バージョンで追加された、クオンの回想より、クオンのワタル評を抜粋。

「特別な家系に生まれたわけでもないはずだ。権力も、金も、一般レベルしか持っていないだろう。」
「お世辞にも成績がいいとは言えない。槍は並の学生よりは使えているようだったが、それでも学生の中で少しだけ技術が高い程度だ。」
「それなのに、「ワタル」という人間の周りにはいつも笑っている人がいた。」
「助けてくれる人もいた。俺がどんなに足掻いたって、もがいたって、そんな存在は手に入らなかったのに。」
「……そうだ。ワタルという男はずっとそうだった。」
「力も地位も権力も金も、何もなくたって、こいつは人を引き付けることができる。」
「もし俺にもその力があれば、家族は死なずに済んだんじゃないか。」
「そう思うと、この男のことを見るたびに羨ましくなって、妬ましくなって――」
「そんな魅力的な力がありながらこれ以上何を望むんだって、プロクト(ここ)にきてから、ずっと考えてた――」

クオンが妬ましくなるほどに望んでいるワタルの能力、それは共有の能力です。クオンは「引きつける力」と呼んでいます。
自分の感情を相手に共有させることであったり、相手の感情を自分が共有することであったり。
これはもう、努力して身につくものではない、一種の才能ではないでしょうか。
誰よりも他人と共に生きることを願っているワタルだからこそ、そのために必要な「不幸と幸福の共有」という天性の才能が与えられる。
本作における主人公補正とは、最強の力とか、完璧な頭脳とか、作者からのお墨付きとか、そんなものではない。
物理的な目に見える力ではない、精神的な目に見えない力なのです。
(余談ですが、最新バージョンで追加されたクオンのワタル評と、ワタルのクオン評は好きだったりします。お互いがお互いを羨ましがい合ってるのがよく分かり、主人公と裏主人公の関係性がより濃密になりましたね)

決して万能ではない。作者からの寵愛を受けているわけでもない。
駄目なところはダメで、罪もしっかりと背負わされて、がっつりと絶望させられて。
そんな彼が主人公としてゴールテープをきることができたのは、
「不幸と幸福の共有」という天性の才能と、誰にでも手を差し伸べられる心の余裕があるから。
そして、たとえ大罪を犯すことになっても、最後まで幸福願望に忠実に生き続けた、
この「不幸」を描いた物語に、「希望」のスパイスを与えた、そんな存在だからなのかもしれません。


ここまでで、各キャラの物語からの考察は終了です。
次回は、これまでの考察をふまえて、魔コネシリーズの総論にうつります。

↓魔コネAS考察まとめ↓

スミカ編~『劣等』に許された『幸福』
アヤネ編~植えつけられた『消極』
ヤマト編~『羨望』の抑圧に待つもの
クオン編~偽りの『諦観』の果て
ワタル編~『幸福』故の『犠牲』への『贖罪』
総論編~世界と『世界』

↑魔コネAS考察まとめ↑
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管理人・雪翠が、フリーゲームについて思ったことを書くだけのブログです。
現在は、魔法戦士コネクターズAS考察を連載中。

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