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AS考察・クオン編~偽りの『諦観』の果て

2016.09.10 22:36|魔法戦士コネクターズ!
AS考察、今回はクオン編。

まずはクオンの背景をおさらい。
戦士学校の校長によって、クオンの父親は冤罪事件に巻き込まれる。
社会の目は厳しく、父親は自殺、母親は精神病院行き、妹のマドカは病死してしまう。
家族を失ったクオンは、自分を置いて行った家族を心のどこかで恨んでいた。
そして、校長に復讐をしようと心に決め、イカルガの戦士学校にやってくる。

本作におけるクオンの役割は、まさしく「生きることと幸福を求めることは同義」というテーマを導く役割だと考えられます。
(幸福や希望にすがっていたって、正反対の現実を見せつけられて、自分がどんどん辛くなるだけだ。
 それなのに、どうしてどいつもこいつも諦めようとしないんだ? 幸せになれる道を必死に探そうとしているんだ?)
これは、ワタルと会話した後のクオンの独白ですが、この独白の答えはまさに「生きることと幸福を求めることは同義だから」でしょう。

幸福を求めることで問題が起きるなら、諦めればいいじゃないか。
それがクオンの考え方であり、行動指針であると、自分では言っています。
「だから、さっさと諦めてしまえよ。それで好き勝手にやればいいさ。母親やイカルガが憎いなら魔物討伐なんて放棄して、イカルガが壊れていく滑稽なさまを足組みながら眺めることだってできるんだぜ。」
これは魔法戦士の真実を知り落ち込むスミカにあてたセリフです。
こうしてみると、一見クオンは、いわゆるアンチヒーロー的な立ち位置であるようにとらえることができます。
彼のイメージカラーである黒・クールな性格・冷静な振る舞いなども、その印象を助ける要因になっています。
それはある意味で当然なのです。なぜなら、クオンが抱いている疑問は、魔王が抱いているそれと類似しているからです。
ただ、クオンが本当の悪に堕ちない理由はこれにあります。

本当は諦めてなどいない

本当に幸福を諦めているのなら、
自分を置いて行った家族に複雑な感情を抱くでしょうか?
自分と同じように壊れかけている同級生を助けようとするでしょうか?
そもそも家族を失った復讐をしようなどと考えるでしょうか?
プロクトにきてから、誰よりも仲間を思い、庇い、護ろうとしてきたのはクオンではないでしょうか。
皆が精神的にまいっているときに「お前たちは戦う道具だ」と大臣に言われた際「道具じゃねえっつってんだろ!」と怒りをあらわにしたのは、仲間を道具と言われたことへの憤怒でしょう。

それでは何故、クオンは偽りの諦観をするようになったのか。
それは自分を守るため。
本当は幸せになりたかったと認めてしまえば、それは家族を救えなかった自分を呪うことにつながります。
だから、最初から幸せなんていらなかった。そう思い込むことで、自分を守ろうとしていたのです。
そんな偽りの諦観の果てに、幸福が待っているわけがありません。諦めるということは、現在の状態を受け入れるわけですから。
そのことにクオンが気が付いたのは、陽動作戦で自分が死にかけた時。
逆にいえば、「こんなになるまで気が付かなかったなんて……」ということです。

心の傷を偽りで癒してしまう

これが、クオンの最大の欠点なのでしょう


本編の陽動作戦でも、ASクオン編でも、彼は皆の前では「何でもない」風を装います。
でも実際は、皆と離れたくない、置いて行かれたくない、と思っているわけですよ。
自分を偽り、自分の内面に向き合えず、抱え込んだ結果、結果的に大切な仲間を傷つける。

あまりに足りない幸福経験

クオンには幸福経験が足りなすぎるのです。だからこそ、自分を差し出すような決断ができてしまう。
冤罪で父を失い、母は狂い、周りからは白い目、金を稼ぎながら病気の妹の世話……。
それにもかかわらず、仲間を心配し、庇い、仲間を侮辱する人には怒ってくれる。
「俺がこんなに不幸なんだから、周りも不幸になればいい」。
そんな発想にはならないところに、クオンという人間が持つ、本来の人格が表れています。

仲間と一緒に頑張りたい。仲間を侮辱するヤツは許せない。
皆と一緒にいたい。一人ぼっちにはなりたくない。
一見、主人公と対になるアンチヒーローのように思われるクオンは、
本当は誰よりも仲間思いで、誰よりも寂しがり屋で、誰よりも「少年」だったのでしょう。


ここまでの物語は「不幸」に直面した少年少女の物語でした。
しかし、それだけでは、ただの不幸物語で終わってしまいます。
「幸福」の描写がなければいけません。
しかし、この物語の世界観は、ただ幸福になることを許しません。
なぜなら、「幸福と不幸は表裏一体である」という世界観だからです。
誰かが幸福になる裏で、誰かが不幸になる。それがこの物語の、魔法戦士システムのルールです。
「幸福」の描写があるということは当然、それによる弊害の描写も必要です。
この物語を、不幸に直面した少年少女の苦悩物語にしないために。
ちょっとだけでも希望が見えるような、そんな物語にするために。
物語のバトンは、真の主人公にしてアンカーである、ワタルに渡されるのです。

↓魔コネAS考察まとめ↓

スミカ編~『劣等』に許された『幸福』
アヤネ編~植えつけられた『消極』
ヤマト編~『羨望』の抑圧に待つもの
クオン編~偽りの『諦観』の果て
ワタル編~『幸福』故の『犠牲』への『贖罪』
総論編~世界と『世界』

↑魔コネAS考察まとめ↑
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管理人・雪翠が、フリーゲームについて思ったことを書くだけのブログです。
現在は、魔法戦士コネクターズAS考察を連載中。

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