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AS考察・ヤマト編~『羨望』の抑圧に待つもの

2016.09.09 22:49|魔法戦士コネクターズ!
魔コネAS考察、今回はヤマト編。

まずはヤマトの背景をおさらい。
(自分を産んだことが一因となって)病気になってしまった母。
そんな母親を「金食い虫」呼ばわりし、あっさりと自分と母親を捨てた父。
母を励ますも「あなた、あなた」と夫ばかりを求める母親。
そのことから「自分に誰かを救う力はない」「皆が幸せになれる方法なんてない」と思うと同時に、
「自分はあの人(=父)のような、身勝手な人間にはならない」と誓うヤマト。

ヤマトの物語が訴えていることは、これだと思います。

幸福願望をもたずに生きることなどありえない

何故なら、この物語のテーマは「生きることと幸福を求めることは同義」なのだから。
ヤマトの物語のギミック的な役割は、「生きることと幸福を求めることは同義」というテーマを、逆説的に肯定することだと考えられます。
要するに、幸福願望を否定する。
幸福願望を否定しているヤマトがもし、生き続けることができたとすれば、「生きることと幸福を求めることは同義」というテーマは崩れることになります。

「誰かの幸せには誰かの不幸が伴うものです。他人を傷つけて、悲しませて、そうやって幸せを手に入れることが、正義なんですか。」
これはヤマトがアヤネに言った台詞ですが、この台詞をもって、ヤマトは自分の幸福を否定します。
何故ならヤマトは、他人を傷つけ、悲しませる、父親のような人間にはならないと誓っているからです。
そうなるくらいなら、幸福なんていらない。そう考えているわけです。

しかしそれは、ダークラウンの言葉によって否定されてしまいます。
「魔物は負の感情で強くなる。その魔物が強くなっているということは、自分に負の感情があるということだ」
結果的にヤマトは、魔物を通して他人を傷つけ、悲しませてしまっている。
それを聞いたヤマトは、誰もいない場所で(俺が魔物を強くしてしまうなら、なんの罪もない人の繋がりまで消してしまうくらいなら……!)と、自殺をほのめかします。
アヤネが止めにきたので何事もなく終わりましたが、もしアヤネの介入がなければ、ヤマトは自殺していたかもしれません。現に、並行世界では、魔物にとりつかれたアヤネと心中しています。
幸福願望を否定しているヤマトは、生きることができないのです。

「生きることと幸福を求めることは同義」というテーマを

逆説的に証明したのです


魔コネ本編では、自分の中の幸福願望を認めるかたちで、ヤマトの物語は終わっています。
しかし、結局ヤマトは母親を幸せにすることができませんでした。
筆者は「妻」を捨てきれないヤマト母にあまり好感を抱いていないので「ヤマトが自分を責めることはない」と思っていますが、ヤマト本人にとって、これは重たい真実です。
本当にヤマトに他者を幸せにする力はないのか? その回答を示したのが、ASヤマト編です。

そもそも、ヤマトというキャラクターには、たくさんの矛盾がつきまとっています。
「幸福願望を否定しながらも、本当は自分も家族も幸せにしたかった」というのは前述のとおりですが、
他にも「アーチャーという後衛職でありながら壁役」であったり、
「男性でありながら女子力が高く『おっかさん』と呼ばれている」ことであったり、
あるいは単純に「他の皆と同い年なのにお兄ちゃんポジションである」ことだったり。
その矛盾はすべて「周りを考えたため」に生まれています。
「アーチャーという後衛職でありながら壁役」である理由がASで語られていますが、
防御魔法が使えないワタル・スミカに合わせて、自分が身に着けたと言っています。

秩序を保とうとして矛盾をためこんでしまう

これがヤマトの苦悩の原因であり、美点であり、欠点なんです。
その要素をASで取り上げたのがクオンです。
「むしろ、あんたの方こそ、言いたいこと言えてないんじゃないのか?」
「自分の中だけにためこんでると、あんたのことは考えなくていいやってなる。あんたは我慢できるから大丈夫だって、放置される。」
この指摘をヤマトは否定し、結果として血塗れの神に取り憑かれてしまいます。
このことで「ヤマトの苦悩に気がつけなかった」と、仲間たちは後悔することになります。
ヤマトを信頼しすぎていたことを悔いるのです。

このパーティにおいて、ヤマトほど信頼されている人はいない

本編サブタンにて、ヤマトの前でだけ泣いたワタル。
ASスミカ編にて、ヤマトの前でだけ泣いたスミカ。
本編にて、アヤネが自分の考えを伝えたのはヤマトで、
ASアヤネ編で、クオンは「あんた(=ヤマト)なら大丈夫だと思う」と言っています。
神夜祭でサプライズする対象としてヤマトが選ばれていることが、何よりの証拠でしょう。
ヤマトは決して無力ではない。
パーティを支え、信頼を集め、幸福に導いているのは、間違いなくヤマトなのです。

たくさんの矛盾を抱えながらも、決して非道徳的な方向へは落ちない。
そんなヤマトだからこそ、皆が信頼し、皆が感謝をし、皆が「おっかさん」と称する。
正義・誠実の象徴であるヤマトにひとつ、大きな罪があるとすれば、
こんなにも自分を信頼してくれている親友・仲間がいるにも関わらず、自殺を決断してしそうになる(しまった)ことだろう。
ヤマトの生い立ちゆえの自己犠牲的な考え方は、共感の域を超えて痛々しく、可哀想で、だからこそ、大きな罪を犯したことにでさえ、受け手は辛さを感じるのだ。


「幸福の不平等」に抗ったアヤネも、耐え忍んだヤマトも、結果的には厄災を起こしてしまいました。
それでは、厄災を起こさないためにはどうすればよいのか。
ここで新たな選択肢、「幸福そのものを諦め、なかったことにする」という選択肢が登場します。
なかったことにすれば、抗うことも、耐え忍ぶこともしなくていいのです。
では、その方法で、はたして人は生きていけるのか。
物語のバトンは『諦観』の魔法戦士・クオンに渡されるのです。

↓魔コネAS考察まとめ↓

スミカ編~『劣等』に許された『幸福』
アヤネ編~植えつけられた『消極』
ヤマト編~『羨望』の抑圧に待つもの
クオン編~偽りの『諦観』の果て
ワタル編~『幸福』故の『犠牲』への『贖罪』
総論編~世界と『世界』

↑魔コネAS考察まとめ↑
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管理人・雪翠が、フリーゲームについて思ったことを書くだけのブログです。
現在は、魔法戦士コネクターズAS考察を連載中。

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